人間関係

グループLINEを抜けたら、誘いも減った。それでも戻らなかった理由

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日曜の古書店で、本に挟まれた映画の半券を見つける53歳の恭介のイメージ

通知が鳴らなくても、まだ来ている気がする。友人は嫌いではないのに、会話を追うことに疲れてしまう。グループLINEから離れたあとに、楽になることと、失うことがありました。

※この記事のSTORY部分は、実際に起こり得る状況をもとに構成したオリジナルフィクションです。

STORY|返さなくていい、ができなかった

昼休み、恭介は弁当のふたを開ける前に、LINEを開いた。学生時代の仲間7人のグループに、未読が46件あった。

駅前にできたラーメン店の話が、昔の学食の話になり、誰かの昼食の写真で終わっていた。急ぎの連絡はなかった。恭介は最後の写真にスタンプを送り、冷めかけた卵焼きを食べた。

53歳。機械部品の卸会社で働いている。グループができたのは、2年前の集まりのあとだった。最初は次に会う日を決める場所だったが、今では朝の天気から夜の野球まで、毎日何かが届いた。

恭介も、よく投稿していた。出張先で食べたものを載せ、返事が早いと嬉しかった。返ってこないと、「みんな忙しい?」と追いかけたこともある。

だから、今さら自分だけ疲れたとは言いにくかった。

通知をオフにした。音は消えたが、休憩のたびに自分から開いた。話が進みすぎると、どこに返事を入れていいか分からない。読まなければいいのに、読まないまま会ったら話についていけない気もした。

ある晩、風呂から出ると「恭介、これ覚えてる?」と、昔の旅行の写真が届いていた。名前を呼ばれるのは嬉しい。返事を書き、ほかの写真も探し始めた。気づくと、寝るつもりの時間を過ぎていた。

「見るのは夜だけにする」と送った

週末、恭介は短い文を送った。

「このところ追いきれないので、見るのは夜だけにするね。返事が遅くても気にしないで」

「了解」「もともと返事いらないよ」。すぐに2人から返ってきた。

誰も怒らなかった。むしろ、自分だけ大げさに構えていたようで、少し恥ずかしかった。

それでも、夜にまとめて読む時間が新しい用事になった。面白い話まで、終わらせるものとして読んでいる。既読をつけたら一言は、と考える癖も残っていた。

友人の一人、広瀬に電話した。

「抜けようかと思ってる」

「通知、切れば?」

「切ってる。その先の話」

広瀬は少し黙ってから、「俺は昼間、誰かとくだらない話ができると助かるんだけどな」と言った。営業で一人で回る日が多いらしい。

恭介は、そんな使い方をしているとは知らなかった。自分には多すぎる会話が、広瀬には一息つく場所だった。

「やめてくれって話じゃないんだ」

「分かるけど。集まりは、たいていあそこで決めるぞ」

「うん。それは分かった」

翌日、必要な写真を自分用に保存した。何度も書き直した挨拶は、最後には3行になった。しばらくグループを離れること、個別の連絡は受け取れること、また会いたいこと。

送ってから、退会した。誰の返事も待たなかった。

静かになった日曜に

2週間ほどして、広瀬から「昨日のラーメン、うまかった」と個別に写真が来た。4人で行ったという。

「昨日だったのか」

「あ、グループで急に決まって。その場で誰かが知らせたかと思ってた」

恭介は「大丈夫」と打った。大丈夫ではある。でも、少し寂しかった。抜けても、誘いは全部同じように届くだろうと、どこかで思っていた。

「次は俺にも知らせて」と書きかけて、止めた。広瀬に毎回、別便を頼みたいのだろうか。

「今度、こっちから声かける。あの店、俺も行きたい」

それを送った。まだ日付は決めなかった。

日曜、恭介は古書店へ行った。棚の前で1冊開くと、以前の持ち主が挟んだらしい、古い映画の半券が落ちてきた。

こんなものが出てきたぞ、と写真を送りたくなった。仲間6人の顔が浮かび、手がポケットに向かった。もう、あの場所は自分のトークリストにない。

本を買って店を出たあと、恭介はベンチに座った。広瀬との個別トークを開き、「来週の土曜、昼どうだ」と送った。

返事を待つ間、半券を元のページに挟み直した。返事に気づいたのは、次の章を読み終えたあとだった。

この話、実際なら?|グループLINEに疲れたときの選択肢

恭介は退会を選びましたが、退出だけが対処法ではありません。まず、負担が通知の音なのか、会話を追う時間なのか、返事への気遣いなのかを分けると、変えたいことが見えやすくなります。

1.通知オフと非表示、退会は別の機能

LINEでは、トークルームごとに通知をオフにできます。ただし、メッセージの受信は続きます。自分へのメンション通知がオンなら、トークの通知がオフでも、名前を指定されたときに通知が届く場合があります。

また、グループのトークを非表示・削除しても、退会にはなりません。新しいメッセージが届くと一覧に再表示されます。「一覧から消したから、もう届かない」と思わないようにしましょう。

出典:LINEヘルプセンター「通知の基本的な設定」/「グループの退会/ブロック/削除するには?」

2.退会前に、写真と今後の連絡方法を確かめる

退会すると、自分はグループの過去の投稿・アルバム・ノートを閲覧できなくなります。一方、自分が投稿した内容が、残るメンバー側から自動的に消えるわけではありません。必要な写真や約束の日時は、退会前に確認しておきましょう。

退会したことはグループ内に表示されます。「誰にも分からず抜けられる」とは考えないことも大切です。挨拶をするか、理由をどこまで伝えるかは、関係に応じて決められます。

出典:LINEヘルプセンター「グループの退会方法」

3.交流を減らすと、届かない情報もある

「返事はゆっくりになります」「日程を決める連絡には返します」など、参加の仕方を変える方法もあります。ただし、相手全員が同じように受け止めるとは限りません。

退会するなら、個別にも連絡を取りたい相手と、どうやって誘い合うかを考えておく。すべての雑談や集まりを別に転送してもらう前提にせず、自分から誘う余地も残す。これは機能の説明ではなく、編集部からの付き合い方の提案です。

対面でも、友人と過ごしたあとに疲れが残るなら、「友人と会った帰り、いつも疲れていた。聞き役を休んでも、友達でいられる?」では、会う時間と話す順番を伝える場面を描いています。

次の一歩|減らしたい負担を、一つだけ選ぶ

まず通知設定とメンション設定を確認し、「すぐ返す」「全部読む」など、自分で続けている習慣を一つ見直してみる。それでも負担が残るときは、距離を置く選択もあります。グループに残ることと、一人ひとりと付き合うことを、同じ約束にしなくてもよいのです。

※LINEの仕様は2026年10月19日に公式ヘルプで確認。画面や操作方法は端末・OS・アプリのバージョンによって異なります。